なんだか最近またフィギュア熱が再発しそうで震えている かみしき:D です、こんばんわ。
シリーズモノこわい。
マンガができるまで
さて、前回は守月せんせーのスケジュールざっくり晒し回でしたが、今回は各工程の簡単な説明も含めてもうちょっと晒してみよう、という続き企画です。
ちょっと長くなってしまったので、ご興味ある方はお暇な時にフーン程度に読んで貰えれば、な感じですはい。
1.プロット
お話の設計図です。
どんなお話でどんなキャラが登場してどう展開して終わるのか、と脚本みたいなもんですねー。上手い具合に掲載ページ数に収まるよう、物語を作って行きます。
2.ネーム
漫画の設計図です。
プロットで考えたお話を、マンガとしてどう魅せて行くかを決めて行きます。画的にはまだ棒人間だったりする事もあるので外部から見ると誰が誰やらサッパリわからなかったりする事も。
■(左)ネーム・下書き(右)
ネームの段階では髪型とおっぱいの大きさから、何となく「櫻ちゃんかな?」状態ですね。
3.下書き
設計図に沿って、実際にキャラクターなどを描いて行きます。
■下書き
下書きでもかわいい♡百ちゃん。
4.ペン入れ
清書みたいな感じです。ごまかしの利かない工程なので集中しながら黙々と手を動かします。
また必要であれば色んな資料も集めながら進行します。いつもと違う私服とか場面などがあると大変そうですね・・・。でもおぱんつの資料集めはたのしそう。
■ペン入れ
下書きの時間が十分取れなかった時などは、ネームレベルの下書きな事もあったりして、
■(左)下書き・ペン入れ(右)
「下書き仕事しろ・・・」つぶやきながら画が一気に化けたりも。しゅごい。外から見ると化けすぎてビビります。
5.背景指定
背景アシスタントさんへ「こんな感じで描いて下さいね!」ってのが伝わるように、参考資料や指示を専用の原稿に書いて行きます。時間的に余裕があればざっくり下描きを入れることも。
■背景指定
おピンク色に見える部分が背景下書きになってます。資料もいろいろ貼ってありますねー。
■(左)背景指定・背景完成(右)
おぉー、アシスタントさんもすげえ。
6.仕上げ
いよいよ最終段階です。
ペン入れをした原稿にアシスタントさんから上がって来た背景を重ね、ベタやトーンなどを入れて更に細かい修正をして行きます。
■仕上げ
7.入稿・修正
最後に入稿データを作って編集さんに送信!
じっくりねっぷりチェックして頂いたあと必要であれば修正が入り、OKが出れば無事脱稿となります。
おつかれさまでした!
守月せんせーサイクル
そんなこんなで、
1.プロット 2日
2.ネーム 2日
3.下書き 2日
4.ペン入れ 3日
5.背景指定 1日
6.仕上げ 3日
7.入稿・修正 1日
計 14 日
これが現在の守月せんせーの原稿1サイクルになります。
月刊連載が2本なので予定通りに進行できれば毎月28日稼働になりますね。
28日、これなら2月でもギリギリせーふ!
・・・なんかおかしい気もしますが細かい事を考えたら負けです。
また各工程の中でプロット、ネーム時には担当さんとの打合せや確認が入ります。場合によっては下書きの工程と、そして当然入稿時には確認と修正が入る事になります。
と言う事でそれぞれの工程の最終日には修正時間のバッファが取ってあったり。
実際のスケジュールを組み上げて行くのは進行管理担当のかみしき:Pの手腕の見せ所なのですが、確認日が編集さんがお休みの日だと待ち時間が発生してしまうので、極力土日祝日には当てないようにスケジュールを組んで行きます。
また重なるとキツい作業は極力重ねないよう、待ち時間ができないように1本の作品の工程を3分割して配置します。
絶対死守の入稿〆日があって、そこから各工程を逆算しながら作ってるそうで、毎月の原稿の他にも単行本の発売や他諸々のご依頼や同人イベントもあるので、だいたい半年~一年先の予定を決めてから埋めていく感じだそうです。
この辺りは案配は流石ふだんから副業で超難解なシフト調整をやってるせいか(本業は騎空士)、某編集さんからも「すげえな」とのお言葉を頂戴していたりしてます。
単行本ができるまで
毎月の原稿だけではなく、単行本を出すときには単行本化作業が別に発生します。
単行本なんて今まで描いたのバチンッとまとめるだけじゃない?
そう思って居た時期がかみしき:Dにもありました。
あぁ~、なんかGWよりカラフルですね~(素で休日がない事に目をそらしながら)
まとめて終わりではなく、単行本化に伴う諸々の追加作業ってかなり多いんですよね・・・。
簡単に思い浮かぶのは、カバー表紙でしょうか?
■単行本カバー色校正
単行本の顔となるイラストをカラーで描き下ろします。
他にも、後書き、幕間(まくあい)、書店さま特典、収録にあたっての作画修正、また巻末の描き下ろし追加収録や、表紙/裏表紙(カバーを取った状態)にイラストや漫画描き下ろしをする場合もあります。
それぞれに確認や修正があるのでトータルするとかなりの時間がかかります。
また珍しいところでは本文自体への増ページなんてのもありまして、雑誌掲載時はページの都合で詰め詰めにしたシーンを新たに描き下ろしたりも。
来月6/29発売 の『捻じ曲げファクター』最新巻4巻 がまさにそんな感じで、
■捻じ曲げファクター(4) チラリ
このシーンに単行本オリジナルの描き下ろし増ページが行われますのでおたのしみに!
そんなわけで、現状だと連載しながら単行本化作業をする日程が取れないので、準備期間は雑誌連載を一話休載にして頂く事が多いです。
同人誌ができるまで
え・・・?じゃあ 同人誌っていつ作ってんの??
ご尤もな疑問だと思います・・・。
一応イベントにあわせて可能な限り同人原稿の日程も確保しますが、現実問題として取れない事が多々ありまして・・・。取ってあっても突発のお仕事(商業イベントなど)が入る事も多いので、そんなときはゴリゴリと日程が削られて行きます。
ではどうするか?
今までの記事でも「ねじ込みました」なんて表現を使ってたりしてますが、まさにねじ込んでいく感じです。
時間取れそうな箇所にグイッ!と。これもまた かみしき:P の腕の見せ所ですね。
そのねじ込まれたスケジュールをこなしてしまう守月せんせーが一番スゴいんですけど。
また逆に、今回は日程的にどう考えても新刊は無理だな~なんて思って気を抜いていると、ちょっと目を離した隙に、
コミ1にて無配予定のペーパー(?)。
セーラー服×大鳳の、ちょっとエッチなイラストです。気がついたら色塗ってて、気がついたら4Pになってて、オフセット印刷してたふしぎ! pic.twitter.com/iZv7B9ySac
— 守月史貴 (@Kamizuki_S1) 2017年4月26日
守「描いちゃったv^^v」
なんて事もあるのでかみしき陣も油断はできません。
そんな時は、
P「ま、回せーっ!!」(訳:今すぐ印刷所に電話しろ)
D「12時間で上がれる!」(訳:入稿デッドは12時間後です)
と、どったんばったん大騒ぎになります。おっぱい。
セーラー大鳳ちゃん 北の大地へ
そんな感じで、最近軽くねじ込んでみた直後にどったんばったんになった『セーラー服と大鳳ちゃん』のコミ1会場掲示ポスターが、
■とらのあな札幌店さま 同人誌コーナーにて
■セーラー大鳳ちゃんポスター展示中
先日よりとらのあな札幌店さまにて展示して頂いてます。わーい。
委託書店さんでポスター掲示は関東や関西圏な事が多かったので、北海道上陸は初かも?
とらのあな札幌店さまへお寄りの際には、セーラー大鳳ちゃんチラリと見てあげて貰えると嬉しいです。
なお『セーラー服と大鳳ちゃん』は会場での配布だった為、書店さま委託はないのですが・・・、もしかしたら夏コミに違った形でみなさまにお届けできればイイなーとか思っていたり(小声)
最後に、
こんな感じで、アシスタントさんや編集さんや書店さんの多大なご協力、そして何より読者の皆様の応援の声を糧になかなかにハードな日々を送っている守月せんせーです。
と言ってもまとまった休みが取れないだけで、ノルマが消化できた日はえっちな漫画を読んだり騎空士さまになってみたりと、ちゃんと一息ついてますのでどうかご安心を。
いつかまとまった時間が取れるようになったら、ゆーっくり温泉でおっぱいでも眺めながら心身共にやすめて欲しいと思う今日この頃ですよー。おっぱい。
以上、極力まとめてみたつもりなんですが、いつもに比べると大分長くなってしまいました。
今回の工程は「守月せんせーの場合」のお話です。漫画作成の工程はちゃんと詳しく解説されているサイトや本もいっぱいありますので、ご興味あればぜひ手に取ってみて下さい。
次回予告
次回は、今週末5/19(金)発売のチャンピオンRED7月号掲載『神さまの怨結び』26話のご案内を。
それでは、また。